責任感があるおじさんたちの、最高に責任感が無い思考回路
おじさんたちと話していると、「それ、マジで言ってんの!?」と度肝を抜かれることが多々あります。
誰とは言いませんが、おじさんたちからは以下の言葉をよく耳にすることがあります。
「仕事とか人のことになるとすぐに決断できるんだけど、自分のことになると途端に分からなくなる」
なぜ、自分のことになると分からなくなるのか、私が理由を教えてあげます。
仕事や他人のことなんて、所詮他人事だから決断できるんです。例え仕事で失敗したとしても、例え他人へのアドバイスが間違っていたとしても、最終的にそのツケを払うのは自分ではありません。自分のこととは違いリスクを覚悟する必要が無いのです。要するに、選択に迫られていないのです。
おじさんたちは他人へアドバイスすることが大好きです。部下や家族から頼られ、そしてそれに対するアドバイスをすることが大好きなのです。アドバイスしている自分が大好きなのです。
しかし、責任を取ることは極端に嫌います。そのため、「夕飯をそばにしようかうどんにしようか」のような相談を持ち掛けられたときは得意げにアドバイスするくせに、身内がオレオレ詐欺に騙されたときのように、自分に火の粉が降りかかったり、金銭的な援助を求められそうな事件が起きたときには、相談してきた人を「自業自得」と目を三角にして怒り、自分には何の関係もないことを主張することに尽力するのです。
人間は、道具ではありません。
相手には相手の世界があり、感情があります。それを知っていたら、軽はずみにアドバイスなんてできないはずです。
つまり、おじさんたちにとって人間とは、人間ではないのです。
そして、おじさんたちもまた、人間ではないのです。
なぜならば、「どうして自分のことになると決められないのだろう?」といい歳して本気で分からないということは、自分が自ら選択をする経験がほとんど皆無であったことの証拠です。自分で自分の環境を変えようとせず、与えられた環境下で訳も分からず一喜一憂をする人生を送ってきたという意味では、おじさんたちは動物園の猿と一緒なのです。